メキシコ産 ブドウ

 

メキシコのブドウ畑に行ってきました

メキシコについて

メキシコの人口は1億2,920万人とほぼ日本と同じですが、面積は約5倍、亜熱帯の海岸、砂漠や高原、高温多湿のジャングルなど地域によって気候差があるのが特徴です。今回視察に訪れたブドウ農園は砂漠地帯にあり、農園が無ければ砂とサボテンしかない厳しい環境の土地です。砂漠では昼夜の寒暖差が激しく、雨はほとんど降りません。この農園でも昼は40度ほど、夜は20度ほどと大きな気温差があります。

 

砂漠でブドウを作るワケ

こうした昼夜の寒暖差はブドウの生育に良い影響をもたらします。ブドウは光合成によって蓄えた糖分を呼吸によって消費して生きていますが、呼吸は温度が低い程少なくなるので、夜温が低い程ブドウの糖度は上がりやすくなります。

また、降水量が少ないことも生育に良い影響をもたらしています。露地栽培のブドウの場合、雨が降りすぎると果実内の水分が多くなり、糖度が下がってしまいます。とはいえ、雨が降らないと枯れてしまいます。その点、砂漠ではほとんど雨が降らないため、この農園では地下水をくみ上げ、張り巡らせたパイプから水を与えています。寒暖差と水分管理によって、砂漠のブドウは美味しく育つのです。

 

メキシコ産ブドウの出回り時期

産地カレンダー

メキシコはブドウの生産量世界29位とブドウの産地としては有名ではありません。ですが、輸入ブドウの主役であるチリ産の出回り時期が1~6月、アメリカ産が9月~12月であるのに対し、メキシコ産は6月~8月。ちょうど輸入ブドウが国内に無くなる時期に入荷されるため日本の市場にとっては魅力があります。

 

輸入ブドウについて

安価でおいしく手軽に食べられる点から、ブドウの輸入量は近年急激に増加しています。

財務省貿易統計より

安価なのは日持ちが良く、船で大量に運んでこれるためです。

メキシコから輸入した場合、出発して日本到着まで約2週間かかりますが、収穫から到着まで冷蔵状態が保持されているため新鮮なまま召し上がれます。輸入、国産ブドウにはたくさんの種類があり一概には言えませんが、皮を剥かずに食べる品種が多い輸入ブドウは、皮を剥く品種が多い国産ブドウに比べるとパリッとした食味が特徴です。輸入ブドウの中でもシードレスと呼ばれる品種は、種が無いためとても手軽に食べることができます。

 

畑の様子

遮光カーテンを設置することで日光と温度を調節しています。

 

砂漠の畑ならではの利点

これまでの写真で畑に雑草が生えていないことに気づいたでしょうか。たいていの畑には雑草が生えてくるため、除草剤や人力で駆除します。放置されることも多いですが、その場合作物の生育に悪影響をもたらします。この畑の場合、元々砂漠なので放っておいても雑草は生えてきません。また、紙袋のようなものがぶら下がっていますが、これは袋掛けされたブドウです。果実が高温下で直射日光にさらされると、日焼けと呼ばれる高温障害が発生します。写真のような外縁部では、果実が葉で隠れる内縁部と違って直射日光に当たってしまうため、袋掛けで日焼けを防いでいます。欠点は雑草だけでなく視察する人間にも過酷なことでしょうか。ここで働いている人たちは大変だと思います……

 

ブドウの若木

白い筒は若木の生育補助のために設置されています。
風で倒れず、まっすぐ伸びるようになります。

 

ブドウの収穫

ブドウは毎年収穫できますが、写真のようにたっぷりと実がつくまでは2~3年ほどかかります。また、木が古くなると実のつきが悪くなるため、7~10年で植え替えが行われます。老木になるまで、りんごが30年、みかんが40年程かかることと比べるとかなり短いサイクルです。桃栗3年柿8年ということわざがありますが、桃栗同様にブドウは生育が早い分寿命が短いです。収穫期間は短くなってしまいますがその分植え替えが早くなるため、品種改良が積極的に行われ、どんどん新しい品種になっていくという利点もあります。

 

ブドウの収穫タイミング

これは赤ブドウです。写真の奥の方に白と赤が混在したブドウが見えますが、熟すと他と同様に濃い色になります。赤ブドウは熟すと白から赤へと色が変わるので分かりやすいですが、白ブドウは見た目の色に変化がないため、収穫の見極めには熟練の勘が必要になるそうです。ブドウははさみを使って、人の手で一つずつ収穫されます。

 

園地視察用バギー

畑の通路は広いため、この4人乗りバギーで直接畑に入りブドウの木を一本一本確認します。筆者も乗りましたが、外気温は40℃程。吹きさらしのバギーでの走行は、ドライヤーの熱風を顔に浴び続けているかのようでした。


いかがでしたでしょうか。メキシコ産ブドウの輸入量は近年急激に増加しているとはいえ、アメリカ産やチリ産に比べるとまだまだ知名度は低く、お店で見かけることも少ないと思います。今回、直接畑を見に行ったことで、畑が綺麗に管理されていること、おいしいブドウが取れること、日本の消費者に満足してもらえる品質であることが分かりました。

 

輸入ブドウの安定供給のため、船昌商事ではこのブドウの販売に自信をもって取り組んでいきます。

 

日本では大晦日に年越しそばを食べる習慣がありますが、メキシコでは年越しそばならぬ年越しブドウがあります。12時の鐘と共に12粒のぶどうを食べ、1粒毎にひと月分の願いをすることでその年1年分の願掛けをするそうです。

日本での販売時期は6月~8月になるため、この習慣を日本で広めることは難しそうですが、もしブドウを食べるときにこの話を思い出したら、願い事をしてみるのもいいかもしれません。

 

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